定年は会社都合?(2013年12月3日)
2013年4月1日より、高年齢者雇用安定法の改正に伴い、
離職証明書の書式が変更になりました。
離職理由欄に「2.定年によるもの」という単独の項目が追加され、
更に具体的な離職理由を記載するようになっています。
一口に「定年退職」と言っても色々なケースがあり、
理由によっては基本手当の給付日数にも大きく関わってきます。
(「特定受給資格者」「特定理由離職者」については前回参照 ↓ )
http://archive.mag2.com/0000175415/20130821090000000.html
そこで今回の改正による変更点も踏まえて、具体例を見てみましょう。
1、定年時に、継続雇用を希望せず離職した場合
⇒定年による離職(受給資格者)
2、継続雇用を希望したが、就業規則等で定める解雇事由等に該当した為、離職した場合
⇒定年による離職(特定受給資格者)
3、継続雇用を希望したが、2013年3月31日以前に労使協定により定めた
継続雇用制度の対象となる高年齢者係る基準に該当しなかった為、
離職した場合
⇒定年による離職(受給資格者)
4、定年後の継続雇用の終了年数に達し、離職した場合
⇒契約期間満了(受給資格者)
5、継続雇用後、直前の契約更新時に雇止め通知がされておらず、
契約更新の確約がない場合で、契約更新を希望したが雇止めとなった場合
⇒契約期間満了(特定理由離職者)
6、継続雇用後3年以上雇用され、直前の契約更新時に雇止め通知があり、
更新回数1回以上で更新を希望したが雇止めとなった場合
⇒契約期間満了(特定受給資格者)
7、事業主が必要な高年齢雇用確保措置を講じていなかった場合
⇒事業主都合退職(特定受給資格者)
8、その他、賃金や職種など継続雇用の労働条件が折り合わない場合
⇒個別のケースにより判断
上記1から3の離職理由は、全て同じ「定年による離職」ですが、
2と3はどちらも継続雇用を希望しているにも関わらず、
「特定受給資格者」に該当するのは2の場合のみになります。
同様に4から6も全て離職理由は「契約期間満了」ですが、
雇止め通知の有無・契約更新の回数・通算契約期間等により、
「特定受給資格者」に該当するかどうかが判断されます。
一見同じような理由でも、離職証明書を作成する際は個別に
きちんと把握しておく必要がありますね。
そして更に重要なポイント、そもそも定年退職とは
「事業主都合」なのでしょうか。
会社側が決めたルールなのだから、会社都合=事業主都合になると
思ってる方が多いのですが、実はほとんどの場合、
「事業主都合」にはなりません。
上記で言うと1から6は全て、資格喪失届の喪失原因は
「2.事業主の都合による離職以外の離職」となります。
「3.事業主の都合による離職」にあてはまるのは、
上記で言うと7(場合によっては8)だけなんですね。
「事業主都合」と判断されるかどうかは、助成金の受給等に
関わってくる事もありますので、十分注意が必要です。
今後高齢者の退職が増え、様々なケースが出てくる事が予想されますので、
迷ったらお近くのハローワークへお問い合わせ下さい。