東日本大震災での労災申請について(2011年8月29日)

宮城労働局は16日、東日本大震災で業務中や通勤中に被災し、

死亡(行方不明を含む)した人の遺族からの労災保険の申請(遺族補償)が

今月15日現在、宮城県内で1,005件に上ったと発表した。

(2011年8月17日読売新聞の朝刊より抜粋)

東日本大震災による労災申請の概要は以下の通りです。

1.宮城・福島・岩手の労災申請件数

宮城労働局が、岩手、福島の労働局に問い合わせた結果、

岩手県の申請は399件、福島県の申請は131件で、

3県合計での申請件数は1535件に上るそうです。

宮城労働局によると、今後、同県だけで

1,500~1,600件まで増える見通しになっており、

自然災害による労災保険の給付件数としては、

過去最大規模になるとみられています。

ちなみに、過去の震災の申請件数と比較すると、

1995年の阪神大震災では約70件、2004年の新潟県中越地震では

約10件でしたので、今回の震災の規模の大きさが分かります。

2.申請が多くなった原因

阪神大震災は早朝に、中越地震は土曜夕方に起きたのに対して、

今回の震災は平日の午後に起きたため、業務中の方が多く、

労災の対象になるケースが多くなったとみられています。

勤務中に大津波警報の発令を知り、避難中に渋滞に巻き込まれ、

津波にのまれて死亡・行方不明になったケースが多いようです。

3.行方不明者の特例について

通常、労災保険の遺族補償給付等の請求においては、

民法の規定により、行方不明になってから1年後に失踪宣言が行われるまでは

死亡が確定しないことになっていました。

しかし、今回の震災では以下に該当する場合、大震災発生日の

平成23年3月11日に死亡したものと推定される規定が設けられました。

1.大震災による災害により行方不明となった者の生死が3カ月間わからない場合

2.被災者の死亡が大震災の発生から3カ月以内に明らかとなり、かつ、その者の死亡の時期がわからない場合

労働局では、申請について分からないことがあれば

相談してほしいと呼びかけているそうです。

少しでも早く、そしてスムーズに労災等の申請がおりて

被災された方の精神的、金銭的な負担が多少でも軽減されれば…と願っております。

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