休憩時間中の電話当番は労働時間?(2010年7月30日)
労働基準法では、
使用者は、労働時間の途中で、以下の労働時間に応じた
休憩を与えなければならないと定められています。
労働時間が6時間を超え、8時間以下の場合 ⇒45分以上
8時間を超えるとき ⇒1時間以上
法令上は労働時間が8時間までなら
休憩は45分でも問題はありませんが、
一般的には労働時間が8時間、
休憩時間が1時間の会社が多いですよね。
また、労働基準法では休憩時間の確保のために
「休憩時間は一斉に与えなければならない」
という、事業場単位での一斉休憩の原則を設けています。
(運送、販売など一定の業種は適用除外、
また一定業種以外で、個別的な事由によって
労使協定を締結した場合についても適用除外となります)
休憩時間は、
「労働者が権利として労働から離れることを保障されている時間」
「使用者は休憩時間を自由に利用させなければならない」
と規定されています。
では、休憩時間中は自由に何をしても許されるのかというと、
そうではなく、一定のルールは設けられるべきです。
なぜなら、休憩時間は使用者の就労命令下から
解放されているだけであって、
あくまで、始業から終業までの拘束時間中なのです。
つまり、休憩時間は次の労働の再開に備えての休息ですから、
飲酒や、他の労働者の自由な休憩を妨げる行為など、
次の労働が完遂できない行為があってはなりません。
そのため、使用者は休憩時間の利用について、
事業場の規律保持のために制限を加えても
本来の休憩の目的を害さなければ、必ずしも違法ではありません。
休憩時間中の外出について、
所属長の許可を受けさせることなどについても、
事業場内において自由に休憩し得る場合には
必ずしも違法にはならないと通達されています。
では、一般的にはよくある話ですが
休憩時間中の電話当番に関しては、どうなのでしょうか?
この場合は、休憩時間中でも電話に出られるように
待機していなければならない、
つまり手待時間に該当するため、休憩の本来の趣旨である
「労働から解放され、自由に利用できる時間」
には該当せず、労働時間となります。
例えば、飲食店従業員が、
お客様のいない時に座って待っている時間でも、
お客様が来たら直ちにサービスを開始できるよう準備して
待機している時間(手待時間)なので、
労働時間として扱われるのです。
待機時間を仕事をしていないと解釈し、
休憩扱いにしている社長様もいらっしゃいますので
気をつけるようにしてくださいね。