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退職前に年次有給休暇を一括請求されたら(2010年2月25日)

○月○日で、退職をさせていただきたいのですが…。

退職までに、残っている年次有給休暇を全部消化させてください」

というのは、良く聞く話ですね。

大手企業等で、それが慣習化されている場合はともかく、

そうでない場合、特に中小零細企業の場合は、

そのような申し出を、非常に嫌がることが多いのが現実です。

「どうしても与えなければならないのでしょうか?」

という会社からのご相談が、よくあります。

労働者が、年次有給休暇を請求してきた場合、

使用者側は、時季変更権を行使しない限り、これを拒否できません。

使用者側には「時季変更権」というものがあります。

これは、労働者から請求された時季に有給休暇を与えることが、

事業の正常な運営を妨げる場合、

他の時季に与えることができるというものです。

しかし、退職予定日を超えて時季変更権を行使することは、

他の変更日がないためできないので、

この場合は、請求に応じなければなりません。

したがって、退職間際あっても

年次有給休暇の残日数の取得を一括請求してきた場合には、

これを認めなければならないのです。

但し、退職日を超えてまで、年次有給休暇を

与える必要はありません。

また、一度会社と労働者の間で合意した退職日は、

どちらか一方のみの申し出だけでは、変更はできません。

また、就業規則において、退職の際の引き継ぎの規定を

  決めておいた方がよいでしょう。

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