社労士は誰の味方?(2006年6月26日)
私は八方美人の性格かもしれません。いつでも、正義の味方でいたいし、みんなにいい人と思われたい人です。
社労士は、労使トラブルの相談を受けることが、非常にたくさんあります。従業員がかわいそうなこと、たくさんあります。ひどい社長もいます。
その時、本当は従業員の味方になってあげたいと思います。でも、私は冷酷だと思われようが、会社の味方になりきります。
なぜなら、私のお客様は、あくまで「会社」であるからです。
しかし、それ以上に私がそう決めたのは、自分のポディションをきちんと決めておかないと、「アドバイスがブレてしまう」からなのです。数年、考え抜いた結論でした。
説得力のあるアドバイス、指導ができないし、社長が、心底私のことを信頼することができなくなるからです。何があろうと、どう思われようが、会社の味方だということをわかってもらうのです。
そういう、信頼関係を築けた上で、社長には耳の痛いような説教をします。
「今回は、絶対に社長が間違っています。今回はどうにかうまく解決しましたがこんなことが続くと、会社は伸びていきません。会社のために言っているのですよ。充分反省してください!」
従業員の味方っぽくなる時もあります。それも全て会社のため。ことを円満に解決させたいからです。
士業って、そんなものだと思います。そうでなければ、死刑になるような被告の弁護を引き受ける弁護士なんて、いない訳ですから。
社労士が、会社の味方でなければいけない、と言っているのではありません。従業員側専門の社労士…というお仕事の方もいますが、それもすばらしいと思います。
要は「どちらの味方なのか、はっきりする。」ということなのです。両方にいい顔をすることはできないのです。