お金で解決できない問題ほど難しい(2006年1月16日)
退職して初めて、その人の本性が見えてくることがあります。
年末にある会社から、急ぎの相談で「ちょっとトラブルがあって、退職した者から残業代の請求があって…」その額が○○万円。困ったなって思いながら、いろいろ対処方法を考えていました。
↑こんなケースも答えは一つではありません。
残業代の話しは、大変複雑な問題なので、おいおい話すとしまして、相手の次の電話を待って、その様子を見て最終的なことを決めるということにしました。
しかし、次にかかってきた相手の電話は、とても意外なものだったのです。
「お金が、目的ではないのですよ。あなたは私のプライドを傷つけた。いろいろ考えていることもあるのですけどね。」といいながら、電話の向こうでケタケタ笑っているというのです。
きちんとした法的根拠に基づいてのお金の請求だけなら、まだマシなのかもしれません。 労働者が役所に訴えたり、裁判をおこすのを慣れているケースは、かなり大変です。他にお金というより、憎しみで…というのも、よくあるのです。
もう、こうなると労働基準法がなんとか、とかそんな問題ではありません。こういう話って、特別なことでもなくて、最近多いのです。事業主なら、こういうことにいつ巻き込まれてもおかしくないのです。
こんな時代ですから、難しい人が増えてきました。「見抜く方法はないのですか?」とよく聞かれますが、面接の段階などでは本当にわからないのです。退職してはじめて「えっ…」って訳です。
従業員も人間であり、中身は何を考えているかわかりません。本当に難しい。だからこそ、言葉のひとつひとつのとらえ方なども違いますから、相手を尊重することだけは忘れてはいけませんね